公開処刑



遠い昔、まだ背中に色違いの羽を持つ種族が存在していた頃の話…………。







ここに今、一人の羽の女の子が公開処刑されようとしていた………。
何でもない普通の毎日を送っていたある日突然、訳も分からず連れていかれ次の日に処刑判決が下された………。





身ぐるみを全て剥がされ、身体は縄で拘束され、自ら自殺を封じるための模様を身体全体に施され、口には布で塞がれた状態で首吊り台へと運び込まれた………。





今回も始まる公開処刑……
一つの命が今、まさに散ろうとしてる状況の中、一人の羽の女の子の処刑を見せる為の命令で町の人達全員が有無を言わせずに処刑会場に運ばれてきた……。
観覧者の中には幼い子供もいて、その残酷な光景に泣きじゃくる子もいた………。

処刑会場がざわついてる中、羽の女の子の公開処刑のカウントダウンが開始された………





9、8、7………



会場の奥で、この光景を薄ら笑いを浮かべながら見ている人達がいた………
彼等は、この公開処刑を行った主催者張本人逹であった………。



6、5、4………



カウントダウンの数字が少なくなり、主催者は今か今かと処刑が行われるのを待っていた………

会場がざわめく中、羽の女の子は絶望的な気持ちで自ら死を覚悟した…………



3、2、1…………



そして、ついに……………

「そこまでだ!」
「罪の無い羽の子を公開処刑し続けた罪で逮捕する!」

カウントが0になる直前、踏み込んだ警察逹に関係者は全員囚われ、公開処刑寸前の羽の女の子は救われた………。





この公開処刑を行った主催者逹は、裏で金目的の為に羽の子を捕えて見せしめの為に公開処刑を行っていたという……
この女の子もその一人だった…
でも、処刑直前に主催者、関係者共に一斉突入した警官達に逮捕され羽の女の子は無事に救助、後にこの残酷な公開処刑は廃止されたという……。





………………………。





羽の女の子は新たな場所へ旅立つ為に、町の人達と別れの挨拶を交わしていた。
そして、町の町長に別れの抱擁を交わし最後の羽の女の子は空高く飛び立って行った………。

もう、二度とあんな悲劇を繰り返さない為に……………。



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