(……………)
妙な違和感で少女は意識が戻った。
目は開いてるはずなのに辺りは真っ暗闇に包まれていた……。
(………………え?)
口を開けようとしたが、何かに引っ掛かってるかのような違和感で口を動かせなかった…。
(口を塞がれてる??)
体を動かそうとしたが、まるで金縛りにあっているかのように動けなかった…。
(何?…何なの?)
まるで狭い場所に押し込まれてるかのような感覚に少女は底知れぬ恐怖を感じ始めていた…。
(誰か…助けて…)
助けを呼ぶために叫ぼうとしたが、呻き声のような声しか出す事が出来なかった。
しばらくして、遠くから足音のような音がしたような気がした…
そして、その足音は段々とこちらの方へと近づいていた…
そして女の近く辺りで足音は止まった。
そして、何かの板が動いたような小さく鈍い音が聞こえた。
「おはよう…目が覚めたかな?」
聞いた事の無い男の声が少女の耳元で聞こえた。
得体の知れない恐怖が少しづつ少女を襲い始めていた…
少女は無意識に逃げようとしたが、体が動かなかった。
「おっと、君の身に付けてる物を外してあげないとね…」
男はそう言ってから、少女に着けていた目隠しを外した。
(んっ…………)
急に眩しい光が少女の目に入り、思わず目を細めた。
続けて男は口を塞いでいた布を外した。
「んはぁ…」
ようやく喋れるようになった少女は声を漏らしていた。
「ようこそ、我が屋敷へ…君を私の花嫁にするためにこの屋敷へと招待しよう」
得体の知れない恐怖で怯えてる少女の顔の近くで男は囁くように話した。
「な…何よあなた?ここは何処なの?…私を今すぐ帰してよ」
恐怖に怯えながら、少女は必死に抵抗するかのように男に言った。
「おやおや、帰る?どこにだい?今日からここが私と君の屋敷になるのだからね」
男は恐怖に怯えてる少女を口元をにやつかせながら嬉しそうに話した。
「何言ってるの?花嫁って何よ?ここから帰してよー」
男はやれやれとした表情で少女を見ていた。
「…君が今、どんな姿をしてるか見せてあげよう…」
男はそう言ってから、手に持っていた鍵で上半身の鎖を外した。
そして、男は少女が自身を見られるように上半身を起こした。
「これが今の君の姿だよ」
少女は自身の信じがたい格好に声にならない叫び声を上げた。
「どうだい?私のコーディネートは?中々素敵な姿だろう?」
男は絶望にも似た声をあげている少女に嬉しそうに話した。
衣類は全て剥がされ、頭には大きなリボン、露になってる両胸には鍵のピアス、身動きが取れないように全身を鎖で拘束されていた。
「何よこれ?今すぐにこの鎖を解いてよー!」
少女は泣きながら男に向かって叫んだ。
その様子を掌で転がすかのように男は楽しそうに眺めていた。
「ははは、何を言ってるんだね君は?こんなに可愛く素敵な格好をさせてあげたというのに…」
「誰か助けてー!お願い誰かー…」
少女は必死に助けてと叫んだが、広い屋敷の中で虚しく鳴り響くだけだった…
「幾ら叫んでも無駄だよ。ここは人里離れた場所、ここには私と君以外はいないのだから…」
その状況を楽しむかのように男は少女に話した。
「そろそろ君の花嫁の儀式を始めるとしよう…」
男はそう言ってから、口元の牙で少女の首元に噛み付いて血を吸った。
そして少女は徐々に意識を無くしていった…
(助けて………)
少女の心からの救いの叫びも虚しく少女は完全に意識を失った…。